hiromi先生のワンポイント薬膳「1月」二十四節気 ~「小寒・大寒」~

2022.01.05
  • 薬膳コラム

二十四節気
始まりは、紀元前770年頃中国において、陰陽五行説の思想が含まれ生まれたもので、
五行の思想が深く、さらに七十二候は、二十四節気をさらに三等分し、動物、植物などの
変化を表し、日常生活の目安にしたものです。

小寒

(1月5日~1月19日頃)

【七十二侯】
芹乃栄 せりすなわちさかえる(芹が盛んに茂る頃)
水泉動 しみずあたたかをふくむ(地中で凍っていた泉の水が溶け始める頃)
雉始鳴 きじはじめてなく(オスの雉がメスを求めて鳴く時期)

寒の入りといい、ここから立春までの一ヶ月が寒の内です。
この頃「寒中見舞い」を出す習慣があります。
“小寒の氷、大寒に解く”と言われるように
実際には大寒よりも寒い日があります。
1月は、新年に人が集まり“むすびつく”ことから睦月と呼ばれるようになったと言われています。
7日には、春の七草「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」を入れたお粥をいただきます。
元旦の7日後に7種類の野菜を使った汁ものを食べ、邪気を払う「七日正月」という中国の風習が由来と言われています。

【春の七草の意味】
芹=競り勝つ  なずな=撫でて汚れを除く  ごぎょう=仏の体
はこべら=繁栄がはびこる  ほとけのざ=仏の安座 
すずな=神を呼ぶ鈴  すずしろ=汚れの無い潔白などの意味

【摂るべき食材】

本格的な冷えを迎え、土用に入る前に冷え予防に勤めましょう
豚肉→冬に友好的、ただ熱の摂り過ぎは浮腫につながる為春菊等と一緒に摂ると良い
海老→温性、腎に働きかけるので足腰の冷えに良い
ニラ→温性、血栓予防
シナモン→熱性、心と体を元気にする、手足の冷えや痛み、膝の痛み、利尿効果紅茶に入れたり、お菓子にかけたりして使いましょう

大寒

(1月20日~2月3日頃)

【七十二侯】
款冬華 ふきのはなさく(ふきのとうが出始める)
水沢腹堅 さわみずこおりつめる(沢の水が凍る頃)
鶏始乳 にわとりはじめてとやにつく(鶏が卵を産み始める頃)

一年で一番寒い時期です。
立春、立夏、立秋、立冬の前を節分といい、特に春の前の節分は
抵抗力が落ちていることから重要とされています。
季節の変わり目に現れる悪鬼を払う為に、「魔滅」に通じる「豆」をまいて無病息災を祈願します。

冬の土用に入り、冷えから胃腸虚弱になりやすい時期です。
色白でやせ形のタイプは特に注意が必要です。
まだ内蔵が休んでいる時期なので、食事を4~5回に分けて摂るのも良いでしょう。
水太りもしやすい頃です、体を温めて浮腫みをとるように心がけ
脾臓を疲れさせないようにしましょう。

【摂るべき食材】

代謝が鈍り土用に入るので、鰻、山芋、里芋等を摂りましょう。
また、この時期は寒さから体を守る為に脂肪を蓄えようとします。
こんな時期こそ体を温める根野菜たっぷりのけんちん汁が良いです。
お味噌で作るとより良いです。
かぼちゃ→温性、疲労回復効果、消化機能強化冬の土用には相性が良い食材

国際中医薬膳管理師 桑原祐美
薬膳のプロフェッショナル「国際中医薬膳管理師」の資格を活かし、リエイの介護事業の薬膳監修を始め、薬膳料理教室「花凛」の主宰、北京中医薬大学日本校の登録機関として活動されています。教室には口コミにて千葉・東京・埼玉などから生徒が集まり、料理を教えるだけでなく、薬膳アドバイザーや中医薬膳指導員を多く育てています。

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