hiromi先生のワンポイント薬膳「3月」二十四節気 ~「啓蟄・春分」~

2022.03.01
  • 薬膳コラム

二十四節気
始まりは、紀元前770年頃中国において、陰陽五行説の思想が含まれ生まれたもので、
五行の思想が深く、さらに七十二候は、二十四節気をさらに三等分し、動物、植物などの
変化を表し、日常生活の目安にしたものです。

啓蟄(けいちつ)

(3月5日~3月20日)冬ごもりしていた虫が春の温かさを感じ地中から出始める

【七十二侯】
蟄虫啓戸 すごもりのむしとをひらく(地中で巣ごもりしていた虫達が姿を表す頃)
桃始笑 ももはじめてさく(桃の蕾がほころび花が咲き始める頃)
菜虫化蝶 なむしちょうとなる(青虫が羽化しモンシロチョウが飛び始める頃)

この頃から花粉の飛散量がピークになります。
因果応報、すべて前の季節の過ごし方が今に表れますので
花粉症も、冬の養生がとても大切です。
内蔵からきちんと体を温め、腸内環境を整えて免疫力を上げておきましょう。
透明な鼻水が出る場合は、生姜湯やネギ等を摂り体を温めて下さい。
鼻づまりには、菊花茶やウーロン茶が良いです。
また、季節の変わり目は自律神経の乱れから
爪に縦縞やでこぼこができたり、円形脱毛症なども出やすくなります。

【摂るべき食材】

ジャスミン茶→気の巡りを良くする、リラックス効果
菊花茶→肝気を抑える、解毒効果
その他、わかめや海草類が美味しくなります。ミネラルを沢山補給しましょう。

春分

(3月21日~4月4日頃)昼と夜の長さがほぼ一緒になる

【七十二侯】
雀始巣 すずめはじめてすくう(雀が巣を作り出す頃)
桜始開 かみなりすなわちこえをはっす(桜の花が咲く頃)
雷乃発声 かみなりすなわちこえをはっす(初雷が鳴り出す頃)

春分の前後3日を含めた7日間が春のお彼岸です。
先祖を供養し、ぼた餅をお供えする風習があります。
ぼた餅とおはぎは同じ物ですが、季節で呼び名が変わります。
春のお彼岸には牡丹の花が咲いているから、ぼた餅といい
秋のお彼岸には萩の花が咲いているから、おはぎといいます。
江戸時代につくられたソメイヨシノや、コブシ、モクレン等も咲く頃です。

この頃から、肝が強くなってきます。
肝は怒りを支配する為、肝気が盛んになると怒りっぽくなります。
そんなときは、酸味のある果物を食べ、怒りのパワーを発散させましょう。
おすすめはイチゴです。
肝機能の疲れが酷くなると、右の肋骨の下が硬くなります。
こうなると要注意です、緑黄野菜を多めに摂って下さい。

【摂るべき食材】

菊花→目の疲れ、抗菌作用、のぼせ予防
イチゴ→ビタミンC、リラックス効果
キウイ→ストレス発散、葉酸(貧血予防)、ビタミンC、疲労回復、食物繊維、解毒
うど→新陳代謝を高め肝機能を助ける、疲労回復効果
   うどの根を乾燥させた物を使った漢方薬で「独活葛根湯」がありますが
   痛みを静め血流を促すので、こわばった筋肉がほぐれます。
   四十肩、五十肩等に用いると良いです。
   「うどの大木」と大きいだけで役に立たない代名詞に使われますが、食に薬に重宝な野菜です。

国際中医薬膳管理師 桑原祐美
薬膳のプロフェッショナル「国際中医薬膳管理師」の資格を活かし、リエイの介護事業の薬膳監修を始め、薬膳料理教室「花凛」の主宰、北京中医薬大学日本校の登録機関として活動されています。教室には口コミにて千葉・東京・埼玉などから生徒が集まり、料理を教えるだけでなく、薬膳アドバイザーや中医薬膳指導員を多く育てています。

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