地域包括ケアシステムとは?定義からメリットまでわかりやすく解説!

2023.05.27
  • 介護の豆知識

地域包括ケアシステムとはどのようなことなのかわからない人も多いのではないでしょうか。

高齢者が対象となるケアシステムですが、高齢者の方だけではなく、実際に行動するのは若い人でもあるので、地域包括ケアシステムについて知っておいて損はありません。

ここでは、地域包括ケアシステムについて詳しく紹介していきます。

 地域包括ケアシステムとは

地域包括ケアシステムとは高齢者の人や介護が必要になった人が住み慣れた地域で住み続けるように支援していくサービスのことです。

高齢者になると介護が必要になる場合も多く、住み慣れた場所ではなく、離れた施設に入居することがあります。

また、一人で生活することが難しく子供や孫の世代と生活する場合もあります。これらの住み方が決して悪いことではありませんが、人によっては窮屈に感じてしまったり、ストレスを感じてしまう場合もあります。

しかし、地域包括ケアシステムが導入されている地域であれば、住み慣れた場所で住み続けることができ、快適に余生を過ごすことも可能になります。

地域包括ケアシステムは医療・住まい・介護・予防などの生活支援を受けることができるサービスであるため、たとえ高齢者で一人で暮らすことが難しい場合でも住み慣れた場所に住み続けることができやすくなっています。

 地域包括ケアシステムの目的

地域包括ケアシステムの目的は上記でも紹介したように高齢者の人たちが快適に地元で生活することができるようになることです。

現在でも日本は高齢化社会に入っており、若者の数よりも高齢者の数が増え続けています。

また、戦後のベビーブームでは多くの子供が産まれましたが、この世代が後期高齢者でもある75歳を迎える時になるとより多くの高齢者が増えるため、高齢者が快適に生活することができるようにするためが地域包括ケアシステムの目的でもあります。

現在よりも後期高齢者の人が増えることはそれだけ医療の頻度が増え、介護を受ける必要がある人数が増えることにもつながります。

このまま増え続けることは医療関係や介護関係の業務が間に合わない場合も出てくることが推定され、介護を受けたいにも受けることができない人が出ないようにするためにも地域包括ケアシステムが重要になります。

 地域包括ケアシステムのメリット

地域包括ケアシステムにはいくつかのメリットがあります。

一つ目が高齢者の方が安心して地元で生活し続けることができるようになることです。

住み慣れた場所であれば、今まで通り生活することができますが、離れた場所で住まないといけないことはそれだけでストレスになったり、不安をかんじてしまう要因になります。地域包括ケアシステムが導入されれば地元でも医療や介護が受けやすくなるので、老後を快適かつ安心して生活することが可能になります。

二つ目のメリットが医療関係や介護関係の人材不足を解消することが期待できることです。

地域包括ケアシステムは増える高齢者の医療や介護体制を整えることであり、早めに体制を整えておくことで人材不足になってしまうことを防ぎ、結果的に医療や介護を求めている高齢者に適したサービスを受けてもらうことが可能になります。

三つ目のメリットは家族の負担が軽減されることです。

どうしても高齢の家族がいると気を使わないといけないことが増えてしまい、場合によっては同居を考えないといけません。

地域包括ケアシステムは高齢者1人でも生活ができるようにするサービスであるため、特に介護が必要な高齢者になると家族にとっても大きな負担になるため、介護疲れを起こしてしまうリスクを下げるメリットもあります。

 地域包括ケアシステムの5つの構成要素

地域包括ケアシステムは5つの要素で成り立っており、医療・介護・住まい・生活支援・介護予防です。

医療は風邪などの病気であればかかりつけの病院に行き、急病で入院が必要な場合は入院できる病院に行けるようになり、それぞれの病院で患者の情報が共有されます。

介護では必要に応じて介護施設の提供や在宅介護のサービスが受けられやすくなります。住まいは住む場所を提供するのではなく、賃貸住宅に住む場合に必要となる保証人になってくれます。

生活支援では定期的な安否確認や買い物をすることであり、医療や介護などの専門的な知識が必要ない要素なのでボランティアが酸化しやすいです。

介護予防は将来介護が必要にならなくなるようにするサービスであり、外出支援や地域の人との触れ合う機会を提供してくれます。

 地域包括ケアシステムで大切な4つの「助」

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地域包括ケアシステムは高齢者を助けるための体制であり、4つの「助」があります。自助・互助・共助・公助の4つになります。

自助は高齢者自身が自分で体調管理をしたり、介護が必要ない身体づくりをすることです。自助の場合は家族の助けが必要になることもあります。

互助は家族や近隣の人に助けてもらうことであり、ボランティアなどは互助に当てはまります。共助とは医療保険や社会保険・介護保険などのことです。

最後の公助は税金で成り立っている行政の取り組みのことであり、生活支援や高齢者福祉事業などのことを示しています。

地域包括ケアシステムのことを知るためにはこの4つの「助」についても知っておくことをおすすめします。

これらの「助」を受けることで高齢者でも快適に生活をすることができるようになりやすいです。

 地域包括ケアの今後の課題

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地域包括ケアシステムを導入している地域もありますが、まだまだ知名度が低いことが課題の一つと言えるでしょう。

いくら高齢者の方が快適に地元に住み続けることができるサービスでも知られていないと利用する人も少なくなってしまいます。

そのため、まずは地域包括ケアシステムという体制があることを知ることが目標であり、重要な課題でもあります。

そのほかにも高齢者の人口や総人口などは地域によって大きく変わるため、各地域ごとに地域包括ケアシステムが適切に稼働できるのかも課題です。

どの地域でも同じ体制では必ず思うような効果があらわれない可能性があるため、地域ごとに適した地域包括ケアシステムにしなければなりません。

 まとめ

地域包括ケアシステムは高齢者のためのサービスであり、高齢で一人っきりになってしまった人や介護が必要になった人でも住み慣れた地元で生活することができるようにサポートしてくれます。

まだまだ導入している地域が少なかったり、認知度も低いですが、これから必ず必要となるサービスであるため、良く知り理解するようにしましょう。

利用する高齢者の方はもちろんですが、実際に働く医療や介護の仕事をしている人やボランティアに参加したい人にも地域包括ケアシステムは重要なシステムです。

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