血圧の平均値はどのくらい?年代別の数値や基準値なども詳しく解説!

2023.06.15
  • 介護の豆知識

血圧の正常値を知っている方は多くいると思いますが、 自身の年代の平均血圧はご存じでしょうか?年代により血圧の平均値は異なります。

この記事では、血圧とは何かから、低血圧・高血圧のリスクについて、 10代~80代の年代別の血圧の平均値や、 その年代の特徴などをご紹介しています。 自身の年代の血圧平均値も知っておきたい方は ぜひ最後までご覧ください。

 血圧とは?

血圧とは、心臓が血液を送り出す力によって血管内にかかる圧力のことです。

血圧には2種類あり、 心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧を収縮期血圧(最高血圧) 心臓が膨らみ次に送り出す血液をためている状態の時の血圧を拡張期血圧(最低血圧)と いいます。

 低血圧のリスク

正常の血圧値は収縮期血圧が120mmHg以下、拡張期血圧が80mmHg以下とされています。 一方、低血圧は、収縮期血圧が100mmHg以下、拡張期血圧が60mmHg以下の状態を言い、 身体の一番上にある脳へ最初に影響が生じるため、めまいや立ちくらみ、 意識がもうろうとするなどの症状が現れます。

特に立っているときに症状が現れやすく、失神するケースもあります。 低血圧のリスクとは、全身に十分な血液が供給されないことで、 臓器が正常に機能しなくなる恐れがあることです。

 高血圧のリスク

高血圧とは収縮期血圧が140mmHg、拡張期血圧が90mmHgを超える状態のことを言います。 また、高血圧のリスクとは、血圧が高い状態が続き動脈の壁に負担が掛かることで、 動脈硬化のリスクを高め、同時に狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞などを発症する リスクも高めます。

高血圧は生活習慣病と関連が深く、塩分の取りすぎや喫煙、運動不足、 お酒をよく飲む方は高血圧になりやすい状態と言えます。 当てはまる方は注意してくださいね。

 血圧の平均値はどのくらい?年代別に詳しく紹介!

成人の平均血圧は、収縮期血圧で120mmHg、拡張期血圧で80mmHgです。

しかし、診察室での計測や高齢者の方では血圧がやや高めになる傾向があるように場所や年齢、性別によって変わってきます。 今回は年代別、性別別にみていきましょう。

 10代の血圧の平均値

成長期にある10代は身長や体重の成長に伴い血圧も変化しやすい年代です。 10代の平均値は、収縮期血圧は、男性で113mmHg、女性で107mmHg程度です。 拡張期血圧は男女とも60mmHg程度です。

高校生の方は運動系の部活やサークルに入られている方もいると思います。 日頃から運動量が多い方は血圧は平均値より低い傾向にあります。

高血圧気味の方や低血圧傾向の場合は、生活習慣を見直し、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。

 20代の血圧の平均値

20代の血圧の平均値は、 男性の場合:収縮期血圧は116mmHg、拡張期血圧は74mmHg 女性の場合:収縮期血圧は108mmHg、拡張期血圧は68mmHg 程度です。

20~30代の女性に多い低血圧は、 朝にめまいや、倦怠感、頭痛などの症状が起きることが多くあります。 原因は明らかになっていませんが、 対症療法として、起床後、水をコップ2杯(約500ml)飲むことや、太陽を浴びて体内時計を調節するなどが挙げられています。

 30代の血圧の平均値

30代の血圧の平均値は、 男性の場合:収縮期血圧は119mmHg、拡張期血圧は79mmHg 女性の場合:収縮期血圧は110mmHg、拡張期血圧は71mmHg 程度です。

年齢を重ねるにつれ血管の柔軟性が失われ、血圧は高くなる傾向にあり、 同時に動脈硬化を引き起こす確率も増えます。 動脈硬化は、脳卒中や心臓病などのリスクを高めるため、 定期的な健康診断で血圧をチェックし、 異常がある場合には早めの対処を心がけましょう。

 40代の血圧の平均値

40代の血圧の平均値は、 男性の場合:収縮期血圧は127mmHg、拡張期血圧は83mmHg 女性の場合:収縮期血圧118mmHg、拡張期血圧は75mmHg 程度です。

女性の場合は男性と比べ平均値がやや低めですが、更年期を境に高血圧になることがあります。 理由は、更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンが減少することで、自律神経が乱れ、血圧が上手くコントロールできず血圧が上がりやすくなると考えられているからです。

 50代の血圧の平均値

50代の血圧の平均値は、 男性の場合:収縮期血圧は132mmHg、拡張期血圧は86mmHg 女性の場合:収縮期血圧123mmHg、拡張期血圧は78mmHg 程度です。

50代の高血圧の割合は、男性で38.9%、女性で19.7%です。 先ほどもお伝えしましたが、年齢が上がるにつれ高血圧の方の割合は 増える傾向にあります。 同時に、日本人の死因上位を占める脳卒中や心臓病、 糖尿病などの生活習慣病になるリスクも上がります。

 60代の血圧の平均値

60代の血圧の平均値は、 男性の場合:収縮期血圧は139mmHg、拡張期血圧は83mmHg 女性の場合:収縮期血圧135mmHg、拡張期血圧は80mmHg 程度です。

60代の高血圧の割合は、男性で39.1%、女性で29.9%です。 60代になると、血圧に注意を向ける方も増え、 家庭用の血圧計を買われ定期的に測定される方もいます。 生活習慣病になるリスクを減らすためにも 自宅での血圧測定の習慣化をおすすめします。

 70代の血圧の平均値

70代の血圧の平均値は、 男性の場合:収縮期血圧は140mmHg、拡張期血圧は80mmHg 女性の場合:収縮期血圧138mmHg、拡張期血圧は78mmHg 程度です。

70代では68.6%の方が高血圧を発症していることが分かっています。 また、加齢により血管の柔軟性が低下するため、収縮期血圧が高くなり拡張期血圧が低下する傾向にあり、これを収縮期高血圧といいます。 収縮期高血圧は、高齢者の高血圧患者全体の60~80%以上を占めています。

 80代の血圧の平均値

80代の血圧の平均値は、 男性の場合:収縮期血圧は140mmHg、拡張期血圧は81mmHg 女性の場合:収縮期血圧138mmHg、拡張期血圧は79mmHg 程度です。

80代の血圧の平均値は、70代の血圧の平均値と大きな変化はみられませんでした。 生活習慣病の予防または、悪化させないために、 塩分調整や自宅でできる運動などを行い生活習慣の改善や、 定期的な血圧測定、薬物治療によって血圧管理を行い、 健康的な生活を送れるよう心がけましょう。

 血圧を正常に保つためには?

血圧を正常に保つためにどんなことを 気を付ければいいのかお悩みの方もいると思います。 そんな方は、下記の3つについて意識してみて下さい。

①食生活の改善
②適度な運動を行う
③生活習慣を見直す

これから詳しくご紹介していきますね。

 食生活の改善

食生活の改善で意識してほしいことは下記の2点です。

・1日分の塩分摂取量を6g未満にする
・カリウムを取る

塩分を取ると、血管内にNa(ナトリウム)が増え、水分はNaが多い方へ移動し、血管内の水分が増え血圧が上がります。 現在では、高血圧の予防のため1日分の塩分摂取量を6g未満にすることが推奨されています。

一方K(カリウム)は、Naを体外へ排出する働きがあり、バナナやほうれん草、 大豆などに多く含まれています。高血圧の方は積極的に取ることをおすすめします。

 適度な運動を行う

定期的な有酸素運動には血圧を下げる効果が認められています。 有酸素運動には、ウォーキング、踏み台昇降、もも上げ運動(座位または立位)、 ハーフスクワットなどがあります。

頻度としては、1日に30分の運動を週に3回で大丈夫です。1日に30分と言いましたが、 運動に慣れてない方は、例えば30分を朝・昼・夜の3回で分け10分ずつ行うも良し、 こまめに5分の運動を6回行うのでも大丈夫です。 自分のペースで怪我のないよう行っていきましょう。

 生活習慣を見直す

食事や運動の他、気を付けて欲しいことがあります。 タバコや飲酒を控えることや、ストレスを溜めないためにお風呂でリラックスすること。

冬場は、お風呂から出る際は脱衣所との温度差を減らしましょう。 あまりに温度差があると血圧の変動で倒れてしまうことがあります。 夏場は、汗をかく機会が多いのでこまめに水分摂取をしましょう。

体内の水分が不足すると、血流が悪くなり血管のつまりや、血圧低下につながる恐れがあります。 その他、しっかり睡眠を取りましょう。

 まとめ

血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧があり 収縮期血圧が100mmHg以下、拡張期血圧が60mmHg以下を低血圧、 収縮期血圧が140mmHg、拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧といいます。

年齢が上がるにつれ高血圧傾向になり、生活習慣病にかかるリスクが増加します。 血圧を正常に保つために適切な食事や運動を心がけましょう。

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