・介護っていったい何?
・看護と介助とは何が違うの?
・介護の仕事をしたいけど、どんな資格があるの?
今回はこのような方に向けた記事です。 介護とは日常生活を一人で送ることが難しくなった人の生活を支援する仕事です。
興味を持つ人が多い一方で、看護や介助など紛らわしい言葉に戸惑っている人も多いのではないでしょうか? そこで本記事では介護について詳しく紹介しつつ、介護職の魅力や必要な資格について解説します。
目次
介護とは、日常生活で不自由を感じる人が自立して生活を送ることを支援するためのサポートです。サポートの内容は大きく2つあります。
・身体介助 :入浴介助、食事介助、排泄介助など ・生活援助:掃除や洗濯などの家事代行、買い物代行
・その他の支援:レクリエーションや心理的問題に対するフォロー 身体介助は要介護者の身体に直接触れて生活をサポートします。 一方で生活援助は要介護者の身体に直接手を触れずにサポートをおこなうものです。
介護と介助はどちらも要介護者の生活をサポートすることを目的としていますが、その意味や使われ方にはちがいがあります。
・介護:要介護者が生活するうえで必要な支援全般
・介助:介護を実現するための具体的な手助け
介護は要介護者の生活の質を向上させるためのトータル的な考えです。そのため利用者の身体に直接手を触れる行為もあれば、利用者の居住環境を整えてあげるなど非接触型の アプローチなどすべて含まれます。
一方で介助は介護の考えを実現するための具体的な手段で、とくに要介護者の身体に直接触れる内容をさします。 たとえば移動の介助や入浴の手伝いなどです。
介護と看護は、共通点としては高齢者や障害のある方の日常生活をサポートすることですが、現場で求められる役割が異なります。
介護は身体介助や生活援助を通じて利用者の自立を支援したり、ご家族の方に介護上の適切なアドバイスをすることが役割です。 一方で看護は医療的なサポートをすることで、医療ケアが必要な方を最適な健康状態へと回復するよう支援することが役割です。
このように介護と看護には明確な違いがあります。とはいえ2つは独立したものではなく、協力し合うことが大切です。
日本は高齢化が進んでおり、介護が必要な人口は増えています。そのため介護に対する需要はこれからますます高まっていくことでしょう。
本章では要介護者数の推移を紹介しつつ、介護士に求められる質について解説します。
高齢化にともなって要介護者の数は増加しています。2020年度の要介護者(要支援)数は約682万人で、介護保険精度がスタートした2000年度の約2.66倍です。 ちなみに要介護度別に見ると、もっとも多いのは要介護1の方です。
日本の高齢化はこれからも続くことが予想されており、今後さらに介護を必要とする人は増えていくでしょう。 これにともなって介護士の数も増えているものの、需要に追いついていないのが現状です。
介護士の数が追いついていないといっても、求められる質が変わることはありません。
・要介護者を思いやる心
・素早い状況判断
知識や技術だけで要介護者のサポートをすることはむずかしいでしょう。 というのも彼らのなかには自分の考えをうまく言葉にできない人もいるからです。
また、施設での介護だと複数の利用者を同時に担当することもあります。そのため素早く状況を判断しつつ、的確な行動を取れる能力も大切です。
介護を行う際にはさまざまなポイントに気をつけなればいけません。なぜなら介護の方法によって、要介護者の身体的・精神的な負担は大きく変わるからです。 本章では介護初心者の方でも理解しやすいように、具体例を交えながら注意点について解説します。
介護を行う際には、常に周囲の状況を把握することがとても重要です。 たとえば移乗や移動中の介護を考えてみましょう。
要介護者はなにかにしがみつかないと歩けないことがあります。そのようなときに気をつけなければいけないことは転倒です。
もし歩いてる途中に障害物があったり、あるいは滑りやすい靴下を履いていると近くに介護者がいても転倒してしまうことが考えられます。 そこで要介護者の導線を先回りして、転倒リスクを最小限にする注意が必要です。
要介護者の心に寄り添うことも大切でしょう。というのも介護を必要とする人々は身体的なケアだけでなく、心のケアも必要だからです。
たとえば要介護者は自分でできることが次第に減っていくことに落胆しているかもしれませんし、孤独感を感じている人もいるかもしれません。 そのようなメンタル的な不調は、活動意欲につながります。
活動量の低下は身体機能の低下に直結するので、心に寄り添った介護はとても大切です。
要介護者と良好なコミュニケーションをとることも大切です。
なぜなら要介護者が自分の思いを伝えることは、自身の生活の質を高めるうえで重要だからです。 たとえば要介護者が自分の趣味や好きなことを話してくれたとき、介護者はその内容に応じて介護のアプローチ方法を変えることがあります。
そうすると要介護者は安心して介護を受けることができることでしょう。 また会話は精神的な健康にも影響があるので、前節の「心に寄り添うという介護」にも通じることでしょう。
本章では介護の仕事をするために知っておきたいことを解説します。 具体的には介護業界で必要な資格、施設の種類、介護の仕事の魅力です。
介護業界への就職を考えられている方はぜひ参考にしてください。
介護に関する資格について、以下のような種類があります。
・介護職員初任者研修:介護に必要な最低限の知識・技術の習得をめざす公的資格。
・介護福祉士実務者研修:基本的な介護サービスが提供できる知識や技術の習得をめざす公的資格。
・介護福祉士:介護に関する国家資格。
・社会福祉士:社会福祉に関する国家資格。
・介護支援専門員(ケアマネージャー):要介護者のケアプランを作成、介護サービス事業者や施設との連絡調整を行う公的資格 もちろん未経験や無資格であっても、介護に関わる仕事をすることは可能です。
介護士として働ける場所は多岐にわたります。
・現場→高齢者施設や訪問介護など
・現場以外→介護講師など
とはいえ講師は介護経験者がなることが多いです。
対象となる高齢者施設には、介護老人福祉施設、特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホームがあります。 また訪問介護は一人で要介護者のことを対応しないといけないため、こちらも経験者がその役割を担うことが多いでしょう。
介護職に携わる人たちが感じるやりがいには、以下のものがあります。
・感謝される仕事
・人や社会のためになる
・性別や年齢に関係なく一体感をもって働ける
介護職として働く環境では、リハビリや看護師などさまざまな人たちとチームを組むことが多いです。そのため性別や年齢に関係なくチーム一丸となって要介護者の自立にむけて 働けることにやりがいを感じることが多いでしょう。
本記事では介護について、また看護と介助との違いから介護業界の現状について解説してきました。
介護とは要介護者が自立した生活を送るためのサポートをすることで、介助とはそのための具体的な手段です。 高齢者の自立支援をサポートできる介護分野は今後さらにニーズが増えてきます。
社会のためにやりがいを感じつつ働きたいなら、介護業界がオススメです。