介護保険料の計算方法とは?年齢別にシュミレーションして紹介!

2023.06.15
  • 介護の豆知識

今後のライフプランや老後の2000万円問題などから未来の家計管理を考える機会が増えていると思います。

その中の負担の一つに介護保険料があります。 40歳を過ぎると介護保険料を支払わなければなりません。

今回は介護保険料について、わかりやすく具体例を出しながら説明していきたいと思います。

介護保険とは?

介護保険とは、高齢者を社会全体で支えるためにできた制度です。 介護保険の基本的な考え方は、「自立支援」「利用者本位」「社会保険方式」です。

「社会保険方式」とは被保険者が保険料を支払い、保険者が集めた保険料や社会保障費の管理を行い、 事業所が介護サービスや支援、給付を提供するという形をとります。

介護保険の対象は40歳以上の方で介護や支援が必要な方(要介護認定者)のみが利用できる制度になっています。

介護保険の被保険者の種類

介護保険の被保険者は各市町村の住民で介護保険料を支払っている人が対象です。

65歳以上の第1号被保険者と40歳〜64歳までの第2号被保険者に分類され、要介護認定の方法や保険料の収集方法等が異なります。

第1号被保険者

第1号被保険者とは、65歳以上の方です。

市町村から介護保険被保険者証が交付されます。 第1号被保険者は、原因を問わずに要介護・要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができます。 保険料は、所得や課税の有無、生活保護の受給状況などにより決定されます。

それぞれの市区町村が定めた基準額や保険料率をもとに金額を算出します。 保険料の支払い方法は「特別徴収」と「普通徴収」の2種類に分けられます。

第2号被保険者

第2号被保険者とは、40歳〜64歳までの医療保険加入者です。 第2号被保険者は加齢に起因する疾病(特定疾病)により要介護・要支援認定を受けたときに介護サービスが受けられます。

保険料は加入保険により異なります。 社会保険加入時は、所属する健康保険組合の規定により保険料が算出されます。

国民健康保険加入時は、所得割・均等割・平等割・資産割の4項目を組み合わせて算出された金額が保険料になります。

介護保険料の計算方法とは?

介護保険の保険料の計算方法は、基本的には基準額に保険料率をかける形で計算します。

基準額は収入(年金・給与・賞与など)により算出され、保険料率は自治体や加入している医療保険により異なります。

介護保険料の計算式

第1号被保険者の計算式は「介護保険料基準額×保険料率」です。 介護保険料基準額は自治体ごとに決められており、3年ごとに更新されます。

保険料率も自治体により決められており、所得により段階で設定されています。

第2号被保険者の計算式は、社会保険の場合は「標準報酬月額または標準賞与額×介護保険料率」、 国民健康保険の場合は「(所得 × 介護保険料所得割率)+(介護保険料均等割額 × 世帯人数)です。

標準報酬月額とは?

標準報酬月額は社会保険料等算出の基礎となるものです。 標準報酬月額は通常、毎年7月1日に算出します。

その年の4~6月の3ヵ月間の給料の月の平均額です。 この給料には、基本給のほか、残業手当や家族手当、通勤手当、精勤手当、管理職手当なども含まれます。 一方、ボーナスや臨時的なインセンティブ、お祝い金などは含まれません。

都道府県ごとに標準報酬月額表が作成されているので確認してみてください。

標準賞与額とは?

標準賞与額とは、ボーナス(賞与)の額面から1,000円未満を切り捨てた金額のことです。

標準賞与額は、ボーナスが支給される月ごとに決定されます。 標準賞与額を算出するもとになる賞与とは、年3回以下の支給のものを指します。

年4回以上支給される場合は、標準報酬月額の対象となり、取り扱いが変わるので注意しましょう。 介護保険の標準賞与額は、4月1日から翌年3月31日の1年間で累計し、573万円が上限額とされます。

介護保険料率とは?

介護保険料率は自治体や加入している医療保険により異なります。

第1号被保険者の場合は、本人と世帯の所得や課税状況に基づき段階別の保険料率が定められます。所得段階は自治体により数段階あり、確認が必要です。

第2号被保険者の場合は、参考として健康保険組合で平均1.77%、協会けんぽで1.80%となっています。 自営業の場合は、所得などに応じて自治体が定めた介護保険料を国民保険料に上乗せして支払うことになります。

年齢ごとの介護保険料をシュミレーション

介護保険料は厚労省により3年に1度改定されています。 第1号被保険者(65歳以上)の介護保険料の全国平均は月額6,014円です。

第2号被保険者(65歳以下)の介護保険料は1人当たり月額6,000〜7,000円前後と言われています。

40歳〜65歳未満の介護保険料のシュミレーション

厚労省によると第2号保険料(40歳~64歳) の1人当たり月額は2020年で平均5,669円でした。 2021年で平均6,678円、2022年6,829円と推測されています。

加入する保険と折半するので、上記金額の約半分が自己負担になります。 今後も少子高齢化社会が続くため、保険料の上昇が見込まれています。

また保険料は収入により異なります。40歳以降では収入増加が見込まれるため、保険料の負担も増加していきます。

65歳以上の介護保険料のシュミレーション

65歳以上の方が支払う介護保険料は世帯収入や本人の年金収入により増減します。

世帯全員が住民税非課税で年金80万円以下の場合は、月額約1,800円、年金120万円以下の場合は月額約3,000円。

年金120万円越えの場合は月額約4,200円です。 世帯に住民税課税者がおり、80万円以下の場合は月額約5,400円、年金80万円以上の場合は月額約6,000円です。

本人が住民税課税であり、年金230万円未満の場合は月額約7,200円、年金80万円以上の場合は月額約7,800円です。

75歳以上の介護保険料のシュミレーション

75歳になると、それまで加入していた健康保険(国民健康保険等)から、都道府県で運営する「後期高齢者医療制度」に加入することになります。

保険証や、保険料の納付方法が変わります。 一部負担割合の変わる方もいます。 介護保険料に関しては、75歳以上でも第2号被保険者のままであるため、保険料の負担割合は変わることはありません。

世帯の住民税課税者の有無や年金収入の金額により、保険料が決定されます。

まとめ

介護保険は老後の支えとなる社会保障制度です。 この介護保険サービスを受けるためには40歳以上になると保険料を支払わなければなりません。

保険料は収入や自治体、加入する社会保険、世帯状況により異なります。 今回の記事を参考に自分自身の負担を調べ、今後のライフプランの見直しの一助になれば幸いです。

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