入浴介助とは?観察項目や服装、看護サービスの加算など解説!

2023.07.19
  • 介護の豆知識

一日の疲れを癒すのがお風呂です。 血行促進や疲労回復、リラックスの効果があるほか、入浴介助には目的があります。

この記事では、入浴介助をするときに知っておきたい観察項目や、流れについて解説します。 また、介護サービスとして入浴介助を受ける時の費用や利用条件についても解説していきます。

入浴介助とは?

自宅で入浴することが困難な方に、介護サービスとして入浴するための支援をすることです。 通所介護・入所介護や、訪問介護サービスで入浴介助サービスが利用できます。

一人一人の身体状況に合わせて介護サービスを提供することが必要で、状況によっては、中間浴、寝台浴などを利用して、本人の体調によっては清拭を 行う必要もあります。

入浴介助をするときの服装は?

入浴介助をするときには、濡れてもいいようなTシャツ・ハーフパンツなどの服装がおすすめです。 利用者にシャワーをかけたり浴槽に入るための支援をするときに、仕事着では濡れてしまった後に着替えがなくて困ってしまいます。

事前に入浴介助を行う前日に用意しておきましょう。 また、入浴介助の時には、服を汚さないために入浴介助用のエプロンを使用して、足が滑らないようにサンダルを履きましょう。 利用者の足先や陰部を洗浄することもあるので、ビニール手袋も用意しておきましょう。

入浴介助の観察項目

入浴介助をする中で、利用者の状態を観察することが大切になります。

普段見れなかった皮膚の状態、赤みや内出血など、普段では気づけない箇所に気づけるでしょう。 この章では、入浴介助で必要な観察項目について解説します。

体調面の観察項目

体調面では、入浴を行うその日の血圧・体温・脈です。 利用者様ご本人の顔色や、話しているときの言葉から気付くこともありますが、血圧・体温の場合数値として本日の体調を知れます。

血圧は、上130未満下85未満が正常と定義されています。 血圧の上が160以上の場合、下が99以上の場合、血圧を再度測定して正常の血圧に近づいてから入浴しましょう。 正常な体温は、36℃~37℃の間です。

腋下で測定することで正常な体温を測定できるので、おでこで測定する体温計で測定した体温が高い場合は腋下で測定しましょう。 脈の正常値は、1分間に60~100の間です。 血圧・脈拍は人によって違うことがあるため、日々の測定データを参考に入浴の可否を判断することが大切です。

身体面の観察項目

皮膚の状態やその日の体の状態によっては、入浴を控えた方がいい場合もあります。 また、日々の状態や利用者本人の身体状況を把握することも大事です。

身体面の観察項目

  • 内出血がないか
  • 肌の色がおかしい部分はないか。
  • 傷がないか

高齢者はけがをしやすく、手足を引っ張ったり長時間寝たままの状態でいると床ずれができたりします。 利用者の状態に異常がある場合は、すぐに入浴を中止して看護スタッフや医療機関に連絡しましょう。

入浴介助の具体的な流れと注意点

入浴介助には自物品の準備や利用者様の体調確認など必要なことがたくさんあります。 また、滑りやすいので危険予知をして、プライバシーを守りながら解除を進める必要があります。

この章では、入浴介助の流れ・必要なもの・注意することについて解説していきます。

入浴介助の具体的な流れ

入浴の流れを【入浴前】【入浴中】【入浴後】に分けて解説します。

【入浴前】
入浴する利用者様のバイタルチェックと、トイレを進めます。 高齢者が入浴するのには、体力が必要です。 立ったり座ったりの動作が多く、お風呂の床は滑りやすく、転倒しないように注意して歩く必要があるからです。 出来るだけ体調万全な状態で入浴してもらいましょう。

【入浴中】
シャワーをかける時の温度確認や、洗身・洗髪するときは、「強さが大丈夫か」「かゆいところはないか」など利用者様に確認しながら介助しましょう。 シャワーチェアーなどにもお湯をかけて、利用者様の体が冷えないように気を付けましょう。

【入浴後】
脱衣所とお風呂場の温度差がないように空調の調節をしましょう。 髪の毛がちゃんと乾いたか、身体はちゃんと拭けているかを確認しましょう。 入浴後は水分補給を進めて、脱水症状を防ぎましょう。

入浴介助に必要なもの

入浴介助を始める前には、お風呂場、脱衣室の準備が必要です。 最初に準備をきちんとしてから入浴介助を行うことで、スムーズに進むので、利用者も介助者も負担が少なくなります。

  • バスタオル
    大きくて吸収力のあるタオルを使いましょう。大き目のタオルを使用することで、体をふく時間を短くできます。
  • ボディーソープ・シャンプー
    入浴前に足りなければ詰め替えておきましょう。
  • アカスリ
    利用者様の肌はデリケートなので、泡立ちがよく、柔らかい素材のものを選びましょう。
  • 転倒防止マット
    転倒のリスクを減らすために、浴槽内に転倒防止マットを敷きましょう。

入浴介助の注意点

入浴介助をするときは、傷や内出血などがないか身体をチェックすることを心がけましょう。 全身をチェックできるのは入浴の時しかありません。 体調不良の時には清拭や足浴などに切り替えて、転倒に注意して安全を優先して介助をすることも必要です。

シャワーチェアーだけでなく、手すり・すのこ・バスボードなどを必要に応じて使用して、出来る限り安全に介助を行えるような環境を整えることが重要です。 また、カーテンなどで仕切りデリケートゾーンなど自分で洗える部分は洗ってもらうなど、プライバシーに配慮することも必要です。

入浴介助の看護サービスを利用するのもおすすめ!

心臓や呼吸器などの特病を持っている方の場合、訪問看護での入浴サービスをおすすめします。 体調の管理が必要である方や血圧の変動がある方は、血圧低下の症状が出ていないか十分に注意しながら入浴する必要があります。

看護師が入浴介助をすることで、もし入浴中に体調の異変があっても適切な対応が出来るのです。 血圧の変動がある方で自宅での入浴を希望される場合は、訪問看護の入浴サービスを利用しましょう。

入浴介助サービスの利用条件

要介護認定を受けていて医師から入浴許可を得ている方は、入浴の介護サービスが受けられます。 入浴を控えるべき血圧の数値などを主治医に確認して、事業所に伝える必要があります。

入浴介助のサービスを利用するときには、ケアマネージャーに相談してケアプランに入れてもらうことも必要です。 人工呼吸器を使用している方でも、主治医の許可があれば入浴の介護サービスを受けられます。

入浴介助サービスはこんな人におすすめ!

自宅での入浴が困難な方におすすめです。 介護職員・看護職員がその日の体調をきちんと確認してから安全に入浴を支援します。

また、デイサービスでは、中間浴・寝台浴などその人の身体状況に合わせて入浴できます。 自宅での入浴が困難な環境の場合はデイサービスの入浴サービスがおすすめです。

まとめ

  • 入浴介助とは、家庭で一人で入浴することが困難な方が、通所サービスや訪問サービスで入浴することです。
  • バイタル測定でわかる体調観察項目と、入浴時に傷や床ずれがないかを観察する身体面の観察項目があります。
  • 入浴介助を行うときには、床が滑りやすいので、利用者様が転倒しないように注意して、安全に介助を行いましょう。

入浴介助サービスを利用することで、自宅での入浴が困難な方でも入浴できます。 血圧の変動が多い方でも介護・看護スタッフがいるので、安心して入浴できるでしょう。

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