要支援1で一人暮らしはできるの?買い物やサービスも解説

2023.08.22
  • 介護の豆知識

昨今、独居で暮らす高齢者が増えています。子供が結婚して出ていき、配偶者と死別したことが原因での一人暮らしが多いと言われています。

宅配サービスが充実してインターネットで簡単に買い物ができるので、高齢者でも一人暮らしがしやすくなっています。この記事では、独居で暮らす要支援1の高齢者が利用できる買い物支援や、自宅や施設で受けられるサービスについて解説します。

要支援1とは?

要介護・要支援の認定の中で一番低い支援度のことです。食事や排泄・入浴など生活動作は自分一人でできますが、買い物や掃除・洗濯などの家事の支援が必要な方です。そのため、一人暮らしで生活していくことも可能です。

要支援1と要支援2の違い

要支援1と要支援2では、身体能力や介護にかかる時間が違います。要支援1の場合生活動作は自分一人でできますが、立ち上がりなどの動作に支援が必要で、身体能力の衰えを感じ始めた段階です。サービスの利用などで改善もできます。

要支援2の場合、生活動作での支援が増えます。支援は必要ですが介護の必要はなく、要支援1と同じくサービスの利用などで改善できます。

要支援1で一人暮らしはできる?

介護予防サービスを利用してリハビリを行うことで、要支援1での一人暮らしも可能です。支援が必要な部分も、介護予防サービスとして訪問入浴や訪問介護を利用できますので、一人でも心配なく生活できます。

要支援1で一人暮らしをしている人の割合

要支援1で一人暮らしをしている方は、高齢者で一人暮らしをしている方全体の41.5%を占めています。一人暮らしをしている高齢者の半分近くの方が、要支援1で一人暮らしをしています。

支援が必要な部分も介護予防サービスを利用することで、立ち上がり時の動作などできない部分をフォローして生活できます。

生活動作に問題はないので、要支援1でも一人暮らしをすることは可能ですが、家から外に出ることも重要です。社会とつながりを保ちながら、住み慣れた環境でサービスを活用しましょう。

また、要介護1でも3人に1人が一人暮らしをしているので、一人暮らしの高齢者が増えたこと・介護予防サービスが重要になってきたことが考えられます。

要支援1で一人暮らしをするときの注意点

要支援1での一人暮らしでは、健康面や生活習慣で注意するべきことがあります。この章では、要支援1の方が一人暮らしをするリスクと、改善方法について解説します。元気で過ごすためにぜひ知っておきましょう!

買い物など生活習慣

食事を抜くことも増えてしまい、食事をするときも惣菜や冷凍食品などを多く摂取するため、生活習慣が乱れるリスクがあります。

宅食サービスや訪問介護サービスの家事支援サービスを利用することで、栄養バランスのとれた食事ができ、生活習慣病にもかかりにくくなります。買い物などで外に出ることは「道を思い出す」「買いたいものを記憶する」などの認知症予防にもなります。

病気や怪我

要支援1の方には、病気やけがをした時に病院に行きたがらない人が多いと言われています。
「受診するのが面倒だ」「まだ大丈夫」と自分で判断して病院に行かない方が多く、すぐに治る病気や怪我でも長引いてしまったり悪化してしまったりすることがあります。

また、「ふらつきや足が思うように上がらない」といったことや、階段を踏み外した・道で滑って転んだなど、日常生活でもケガのリスクが多くあります。

大腿骨頚部骨折と大腿骨転子部骨折から、要介護状態になってしまう方が多いので、介護予防サービスのリハビリテーションを活用して、足腰の筋力をつけましょう。

症状の進捗

要支援1の方で注意すべきことは、認知症や生活習慣病などが進行してしまうことです。家に引きこもりになってしまうことが多く、食事は栄養バランスが偏ってしまったり、社会との交流が少なくボーっとしている時間が多く、認知症になってしまうこともあります。

認知機能の低下に気づきづらいこともあり、認知症の進行が進んでいきます。

要支援1で受けられるサービス一覧

要支援1の方は、介護予防サービスを利用できます。自宅で受けられる訪問サービスと、デイサービスに通う通所施設に宿泊してサービスを利用できます。

この章では、自宅で受けるサービスと、通所・宿泊で利用できるサービスについて説明します。

自宅で受ける

自宅で受けられるサービスとして「介護予防訪問介護サービス」があります。介護以外にも、居宅療養管理指導・リハビリ・訪問入浴のサービスがあり、自宅にいても介護保険が適用になるサービスが利用できます。

訪問介護サービスは、自宅にスタッフが訪問して、立ち上がりなど出来ない部分を支援してくれます。
家事支援や買い物支援も行ってくれます。

訪問リハビリテーションは、自宅でリハビリテーションが受けられます。日常生活動作の訓練や、作業手順の習得・福祉用具の使用方法の訓練ができます。

施設への通所・宿泊で受ける

施設へ通所・宿泊してデイサービス・ショートステイと同じサービスを利用するできます。通所サービスでの具体的な内容として、栄養改善プログラム・認知機能低下予防プログラム・運動機能の向上プログラムなどが行われます。

宿泊サービスは、一定期間介護サービスを受けられないとき、退院後リハビリのために利用できる介護サービスです。居室は、多床室・個室があります。

料金は施設によって異なりますが、要支援1の場合介護サービスを受けることが少ないので、安く宿泊できることが予想されます。居住費の他に、食費がかかります。

宿泊サービスでは、3食栄養バランスの考えられた食事ができます。

その他サービス

有料老人ホームへの入所や、福祉器具のレンタルができます。有料老人ホーム混合型の場合、要支援1の方でも入所できます。入所施設を検討する場合は、地域包括支援センターに相談しましょう。

福祉用具として、シルバーカーや車いすのレンタルができます。また、転倒などのリスクを減らすため、リフォームすることもおすすめです。

まとめ

この記事の内容をまとめます。

  • 要支援1の方は、食事・排泄入浴などの動作は自分一人でできますが、買い物や家事に支援が必要な方です。
  • 要支援1で一人暮らしをすることは、家に引きこもりになってしまうことが多く、生活習慣が乱れてしまう。
  • 病気やけがのリスクなどがあります。
  • 要支援1の方でも介護予防サービスが利用できるので、地域包括センターに相談することをおすすめします。
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