家族が病気や怪我などで介護が必要になった時、「仕事を休まなければならないけど、収入がなくなると不安だ。」と悩んでおられる人もいるでしょう。
そんな時、経済的な助けになる制度が、「介護休業給付金」です。
この記事では、「介護休業給付金」の受給条件や申請方法など詳しく解説していきます。
介護休業給付金とは、家族の介護のために仕事を休業する際、給料の67%が保証される制度のことをいいます。
介護と仕事の両立を支援する制度になっています。
介護が必要な時に休める制度には、介護休暇と介護休業があります。
利用できる対象者や申請方法、休める期間、給付金が異なります。
介護休暇は、対象家族一人に対して年間最大5日間、当日申請が認められており、突発的に休まないといけなくなった場合などに適しています。原則無給です。
介護休業は、対象家族一人に対して最大93日間、最大3回までの分割で取得可能です。
開始日の2週間前までに必要書類を揃えて提出する必要があります。
「介護休業給付金」を申請することが可能です。
介護休業給付金の支給額は、原則として休業開始時賃金日額×支給日数×67% となります。
休業開始時賃金日額は、介護休業開始前6ヶ月の賃金を180で除した額になっております。
具体的には、月30万円給与を貰っている方が介護給付金を申請する場合について説明します。
休業開始前の6か月間の総支給額は30万円×6か月=180万円 1日の賃金に換算すると、1日当たり180万円÷180日=10,000円
1日の支給額はこの67%となるため6,700円 最長で93日間休業する場合は、6,700円×93日=62万3,100円が総受給額となります
給付額には80%という上限が設定されており、介護休業期間中に賃金が支払われると、介護給付金が減額されることがあるので注意をしましょう。
介護休業を取得できるのは雇用期間が1年以上であり、要介護状態の対象家族を介護している従業員です。
正社員だけではなく、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員も対象となります。
要介護状態の対象家族の範囲は、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。
対象家族に当てはまらない場合には、介護休業を取得することができず、介護休業給付金ももらえないことになります。
介護休業給付金を受け取る条件は、
・介護休業の開始日の前の2年間に、雇用保険に12か月以上加入していること
・2週間以上の休業を必要としていること
・職場に復帰する前提
になっております。
介護休業給付金の支給を受けるための必要書類は、「介護休業給付金支給申請書」と「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」の2点です。
上記書類の記載事項を証明する添付資料(住民票記載事項証明書や賃金台帳や出勤簿等)も必要になります。
介護休業の申請タイミングは、介護休業終了日の翌日から、2カ月後の月の末日までとなっています。
例えば、4月1日に介護休業が終了すれば、4月2日~5月31日の期間中に手続きを実施する必要があります。
申請手続きは原則として、勤務先を経由しハローワークに提出します。
その後、管轄するハローワークで審査され、「支給決定通知書」か「不支給決定通知書」により通知されます
労使協定によっては、以下の人は給付金がもらえない場合があります。
・入社してから1年未満
・申し出の日から93日以内に雇用が終了する
・一週間の所定労働日数が2日以下である
上記の場合、介護をする対象家族の条件が合っていても、介護休業給付金がもらえないこともあります。
また厚生労働省ではさまざまな給付金制度があります。しかし、介護休業は他の給付金と同時にもらえないことがあります。
例えば、他の家族の介護休業、産前・産後休業、育児休業などの休業が必要になった場合、全てを同時に取得することができません。
しかし、これらの休業取得後であれば新たに介護休業を取得することは可能です。
介護休業給付金は、介護と仕事の両立を支援するための制度です。
介護休業の取得期間や給付金の金額や支給時期を考え、しっかり家族で話し合って計画を立てて制度を利用しましょう。
申請方法などが分からなければ、厚生労働省が介護休業給付金のパンフレットを作成しているので、活用してみてください。