血圧が高い人の特徴とは?高血圧を防ぐ生活習慣や対策方法を紹介!

2023.06.15
  • 介護の豆知識

血圧が高い人には、睡眠不足や肥満体型などの特徴があることを、あなたはご存じでしょうか?

この記事では、血圧が高い人の特徴を詳しくまとめました。 血圧が高いとどのような問題が起こるのかも、合わせてご紹介いたします。 また、高血圧を防ぐための生活習慣や、対策方法もまとめました。

年齢を重ねると、誰もが気になってくる血圧。 ご自分の血圧を現状維持したい、もしくは下げたいという方におすすめの内容となっています。

血圧が高いとどうなる?

血圧が高い人は、動脈硬化を引き起こしやすくなる特徴があります。 動脈硬化は、いずれ心筋梗塞や脳梗塞などの病気に繋がる恐れがある病気です。

この章では、血圧が高いとなぜ動脈硬化を引き起こしやすいのか、詳しくまとめました。 また、動脈硬化によって発症しやすい病気もご紹介いたします。

血圧が高いと動脈硬化を引き起こしやすい

血圧が高い人は、動脈硬化を引き起こしやすくなります。

動脈硬化は、血管が弾力性を失い硬くなったり、動脈内に様々な物質が付着し狭くなったりする病気です。 血流が悪くなるため、血管が詰まったり破れたりしやすくなり、重篤な病気に繋がる恐れも。

なぜ血圧が高いと、動脈硬化を引き起こすのでしょうか。 高血圧が続くと、血管に圧力がかかり続けます。 常に負担がかかり続けた血管は、徐々に弾力を失い、硬くなります。

また、血管への圧力で内皮細胞にできた傷に、悪玉コレステロールやカルシウムが溜まり、血管内が狭くなることも。 上記のように、高血圧が原因で血管が徐々に硬く・狭くなり、動脈硬化が進行していくのです。

動脈硬化によって発症しやすい病気

動脈硬化によって発症しやすい病気は、以下のような病気があります。

・心臓の病気…心筋梗塞、不整脈、狭心症など
・脳の病気…脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作など
・腎臓…腎動脈狭窄症、腎硬化症など
・その他…眼底出血、大動脈解離、閉そく性動脈硬化など

いずれも、動脈硬化により血管が詰まったり、破れたりすることで発症します。 特に心臓や脳で発症する病気は重篤になるケースが多く、命に関わる場合も。

動脈硬化は、気づかないうちに進行していることが多い病気です。 大きな病気に繋がる恐れがありますので、注意しましょう。

血圧が高い人の特徴とは?

血圧が高い人は、睡眠や運動が不足していたり、食生活が乱れていたりするなどの特徴があります。

この章では、血圧が高い人の特徴をまとめました。 また、それぞれの特徴がなぜ高血圧に繋がるのかも、詳しくご紹介いたします。

ご自分の血圧が高いと気にされているあなたにも、当てはまる特徴があるかもしれません。

睡眠不足

血圧が高い人の特徴に、睡眠不足があります。

睡眠不足により、自立神経が乱れるためです。 自律神経は、以下の二つの神経でバランスを取っています。

・交感神経…身体を活発に動かす際にはたらく神経。身体を興奮状態にするため、心拍数や血圧を上昇させる。
・副交感神経…身体がリラックス状態になる時にはたらく神経。睡眠時は副交感神経の働きが優位になり、心を落ち着かせる。 睡眠不足になると、自律神経が乱れる、つまり交感神経が高まったままになってしまいます。 交感神経には、血圧を上昇させるはたらきが。 自律神経が乱れることにより、血圧が下がらず、高血圧へと繋がるのです。

運動不足

血圧が高い人は、運動不足という特徴があります。

運動不足になると、血管の内側で作られるNO(一酸化窒素)が減少します。 NOが不足すると、血管の弾力性が失われ固くなったり、血流が悪くなったりします。

すると、心臓は全身に血液を送るため、血液量を増加するように。 血液量の増加により血管に負担がかかるため、血圧が上昇し高血圧を招くのです。

また運動には、体内の余分な塩分を外に排出する働きもあります。 運動不足になると、体内に塩分がたまり、血圧が高くなるのです。

肥満体型

血圧が高い人の特徴に、肥満体型があります。

主に腸の周りに脂肪が溜まる「内臓脂肪型肥満」は、血圧が高くなる要因の一つ。 内臓脂肪からは、「アディポサイトカイン」という物質が分泌されます。

アディポサイトカインには善玉と悪玉があり、内臓脂肪型肥満は悪玉を増加させます。 悪玉はインスリンホルモンが過剰分泌する「高インスリン血症」を引き起こすはたらきが。

高インスリン血症になると、血管が硬くなったり血液量が増加したりするため、血圧も高くなるのです。 また、内臓脂肪により血管が圧迫されることも、血圧が高い原因の一つです。

食生活の乱れ

食生活の乱れも、血圧が高い人の特徴です。

食生活の中で、以下の3点が血圧を上げる要因になります。

【塩分を摂りすぎる】
食塩の摂りすぎにより血中の塩分濃度が濃くなると、調節するために血液中の水分が増加します。水分増加により血液量が増え、血管や心臓に負担がかかり、血圧が上がるのです。

【野菜摂取量の不足】
野菜に含まれる「カリウム」は、塩分の主成分であるナトリウムを体外に排出しやすくします。野菜摂取量の不足は、カリウム不足に繋がります。その結果、血液中の塩分濃度が上がり、血圧が上昇するのです。

【アルコールの多量接種】
飲酒量が増えると、血圧も増加することが厚生労働省から発表されています。また、お酒を飲むと塩辛いおつまみを食べることも多いため、血圧が上がりやすくなります。 また、食生活の乱れは、食べ過ぎてカロリー摂取量を増加させることも。 その結果、高血圧の要因である肥満体型になりやすくなるため、注意が必要です。

ストレスを抱えている

ストレスを抱えていると、血圧が上昇しやすくなります。

ストレスは交換神経を優位にするため、血圧をコントロールする自律神経が乱れるためです。 精神的ストレスだけでなく、疲労や睡眠不足による肉体的ストレスにも、注意が必要です。

また、普段の血圧が低いにも関わらず、日中職場で高くなる「職場高血圧」という症状があります。 職場高血圧の原因ははっきりとは分かっていませんが、職場での対人関係や、仕事によるストレスだと考えられます。

喫煙者

喫煙者であることも、血圧が高い人の特徴です。

タバコに含まれる「ニコチン」は、血管を収縮させたり、交感神経を刺激したりして、血圧上昇を引き起こします。 タバコを1本吸うと、15~20分ほど血圧の上昇が続くと言われています。 また、タバコの煙に含まれる一酸化炭素(CO)。

一酸化炭素は、酸素を運ぶ働きをするヘモグロビンと結びつく力が強く、酸素の運搬を妨げます。 その結果、体は酸素不足となり、心臓が心拍数を増加し補おうとするため、血圧が上昇するのです。

遺伝や持病

遺伝や持病も、血圧が高くなる要因です。

子どもの血圧も高くなる確率は、両親ともに高血圧だと約50%、親のどちらかが高血圧だと約30%と言われています。 血圧が高くなりやすい体質が遺伝している可能性があります。

しかし、体質の遺伝だけでなく、家庭内での食生活や運動習慣も影響しているのでは、という考えも。 高血圧が遺伝する懸念がある場合は、家庭内の生活習慣も見直すと良いでしょう。 また、持病による影響で血圧が上昇することを、「二次性高血圧」と言います。

以下が、二次性高血圧を引き起こす病気の一例です。

・原発性アルドステロン症
・睡眠性無呼吸症候群
・甲状腺機能亢進症
・腎血管性高血圧

持病を治療することで、血圧も下がる可能性があります。

高齢者

65歳以上の高齢者になると、血圧が高い人の割合が増加します。

高齢になるにつれ血管の弾力性が失われ、血液の流れが悪くなり心臓に負担がかかるためです。

また、自宅での血圧は問題が無くても、医療機関では血圧が上昇する「白衣性高血圧」という症状があります。 医師の前で緊張やストレスを感じ、自律神経が乱れるためだと考えられます。

高齢者は白衣性高血圧になる人も多く、いずれ持続性の高血圧に繋がる恐れが。 注意すると良いでしょう。

高血圧を防ぐ生活習慣を紹介

血圧が高い人は、肥満体型やストレスを抱えているなどの特徴があります。

そのため、高血圧を防ぐためには、食生活やストレス解消など、生活習慣を見直す必要があるのです。

この章では、高血圧を防ぐために重要な、生活習慣をまとめました。 あなたも血圧が気になるのでしたら、ぜひ生活習慣の見直しにご活用ください。

食生活を見直す

高血圧を防ぐために、まずは食生活を見直しましょう。 血圧が高い人の食事は、塩分を摂りすぎていたり、野菜不足だったりするなどの特徴が見られます。 高血圧を予防するために、以下の点に注意してください。

・減塩を心がける(血圧が高い人は6g/日、以外の人は10g/日が目安)
・カリウムが含まれる野菜を摂る
・コレステロールや飽和脂肪酸の摂取量を減らす
・魚を摂る

塩の主成分となるナトリウムを過剰摂取すると、血圧が上がるため減塩を心がけましょう。

また、野菜や果物などに多く含まれるカリウムには、ナトリウムを体外に排出する働きがあります。 魚に含まれる「n-3系脂肪酸」には、血液の流れを良くする働きがあります。

野菜や魚を積極的に摂取するようにしましょう。 コレステロールや飽和脂肪酸の過剰摂取は、動脈硬化が進行する恐れが。 肉類や乳製品(バターやチーズなど)の摂りすぎには、注意が必要です。

有酸素運動を行う

高血圧を防ぐために、生活習慣に有酸素運動を取り入れましょう。

継続的に運動することで、血液の循環が良くなったり、自律神経が安定し血管が広がりやすくなったりします。 そのため、徐々に血圧も下がっていくのです。 軽めのジョギングやウォーキング、水泳などがおすすめです。

1日30分以上の運動を、毎日行うことが理想です。 10分ごとに区切って、休憩をはさみながら合計40分以上運動してもかまいません。 ウォーキングの場合は、1日8,000歩を目安としてください。

良質な睡眠の確保

睡眠時は副交感神経の働きが優位となり、血圧が下がります。 良質な睡眠の確保は、血圧を下げるために重要なのです。

高血圧を防ぐためには、1日7時間の睡眠が必要と言われています。 5時間未満の睡眠は高血圧のリスクを高めますので、しっかりと睡眠時間をとることが大事です。 また、質の良い睡眠には、規則正しい生活が重要。

朝決まった時間に起きて日光を浴びると、体内時計を整えることができます。 運動などで日中しっかりと活動し、夜遅くまで起きないよう心がけ、睡眠の質を上げましょう。

ストレス解消

ストレス解消も、高血圧を防ぐために必要です。 生活していると何かとストレスが溜まりますが、心身ともに負担がかからないように、日々解消しましょう。 ストレス解消となる生活習慣の例をご紹介いたします。

【入浴と睡眠】
良質な睡眠は、ストレス解消に重要です。なかなか寝付けない時は、好きな音楽を聴いたり、本を読んだりするなど、脳がリラックスするよう心がけましょう。

また、体は体温が下がってくると眠たくなるように出来ています。ベッドに入る1~2時間前に、入浴を済ませると寝つきが良くなるでしょう。熱いお湯は、交感神経を刺激し血圧の変動を起こします。お湯は、交感神経を刺激し血圧の変動を起こします。 40度程のお湯に30分ほど半身浴で浸かると、リラックス効果もありおすすめです。

【深呼吸】
気圧や気温の変動が激しい季節の変わり目などが、自律神経のバランスが乱れがちです。また、職場でのストレスが原因と言われる「職場高血圧」という症状があります。

自律神経の乱れや職場が原因で、イライラや緊張を感じたら、ゆっくりと深呼吸してみましょう。鼻から息を吸って、口から吐くことを意識すると、血圧が下がる効果があります。

禁煙・禁酒

高血圧を防ぐためには、禁煙と禁酒、もしくは節酒がおすすめです。 タバコを吸うと、ニコチンの影響で血圧が15~20分ほど上昇します。

1日に何本も吸う人は、常に血圧が高くなり危険です。 健康のためにも禁煙しましょう。 また、長期間にわたり毎日飲酒することも、血圧を上昇させます。 禁酒が望ましいですが、難しいようでしたら飲酒量を減らす「節酒」がおすすめ。

アルコール摂取量の目安は、以下の通りです。

・ビール中瓶1本(500ml)
・ウイスキーダブル1杯(60ml)
・日本酒1合(180ml)
・焼酎0.6合(110ml)
・ワイン1/4本(180ml)
・酎ハイロング缶1本(500ml)

まとめ

血圧が高い人には、睡眠不足や食生活の乱れなどの特徴があることが分かりました。

生活習慣以外にも、遺伝や持病、高齢者であることも、特徴となっています。 血圧が高いと、血管に負担がかかり、動脈硬化を引き起こしやすくなります。

動脈硬化になると、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を発症しやすくなるため、注意が必要です。 高血圧を防ぐためには、良質な睡眠を確保する、食生活を見直すなど、生活習慣を見直すようにしましょう。

高血圧は、生活習慣に気を付けることで、予防できる可能性が高い病気です。 ぜひあなたも、血圧を上げないために、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

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