介護疲れとは、介護者が精神面・身体面に疲労が溜まっている状態。介護をする人なら、誰でも介護疲れになりえます。
この記事では、介護疲れの原因を詳しくまとめました。また、具体的な対策方法も紹介いたします。 介護疲れは、病気や重大な問題を引き起こしかねない深刻な問題です。
原因や対策方法を知れば、介護疲れの軽減へと繋がります。分かりやすく紹介いたします。
目次
介護疲れとは、介護者が精神や身体に負担を感じ、疲労がたまっている状態。体調不良や不眠などを引き起こします。
少子高齢化が進む日本で、高齢者介護は深刻な問題です。高齢者が増える一方、介護を担う若い世代は減少。核家族化も進み、少人数の身内のみで介護するケースが増加しています。 また、病気や怪我により家族が突然要介護状態になる場合があります。家族の状態変化にショックや不安を感じる中、突如在宅介護の始まりです。精神的・身体的負担ははかりしれません。
近所や地域、親族と交流が無く、孤立する介護者もいます。孤独感が募り、ますます精神に負担がかかります。 介護疲れが溜まり限界に達すると、「介護離職」や「介護放棄」、「介護殺人」などを引き起こしかねません。 介護疲れは、介護をする人なら誰でもなりうるため注意が必要です。
介護疲れの原因は、身体的または精神的な負担などがあります。 介護疲れの原因を、大きく3つに分けてご紹介いたします。
①身体的負担…介護は、身体を起こしたり入浴を介助したりと、身体に負担がかかる場面が多くあります。腰痛や腱鞘炎などを患うこともあります。また、夜間も介護が続くと睡眠不足で身体的な疲れがさらに蓄積。いずれ精神的負担にも繋がります。
②精神的負担…身体的負担や睡眠不足から、心に余裕が無くなる場合も多くあります。また、ケアマネージャーや介護スタッフとの頻回なコミュニケーションが負担な場合も。
③経済的負担…終わりの見えない介護は、経済的負担も大きくなります。介護サービス利用費や医療費、オムツなどの介護用品代がかかります。また、介護に専念するため『介護離職』すると収入が減少。経済的負担が増し、精神的負担にも繋がるのです。
介護疲れの具体的な対策方法として、癒しを見つける、介護者の心の持ち方を学ぶなどがあります。
介護疲れが溜まると、体調不良などを引き起こしかねません。 少しでも介護疲れが軽減できるよう、対策方法を3つ紹介いたします。
癒しを見つけることは、介護疲れの具体的な対策方法の一つです。 例えば、趣味や好きなことをする癒しの時間。介護の隙間時間でも行える方法の一例は、以下の通りです。
大切なことは、数分間でも『自分の時間』を持つこと。被介護者ばかりに向き合うと介護疲れが溜まりやすくなります。意識的に癒しの時間を作ることが大事です。
介護者の心の持ち方を学ぶと、介護疲れの軽減に繋がります。 介護者が心がけるべき点は、以下の通りです。
【一人で頑張りすぎない】
介護疲れになりやすい人は、人に相談できず、一人で抱え込む人。家族の介護に一生懸命になりすぎて、完璧主義になったり、責任を感じすぎたりすると、精神的に負担を感じてしまいます。他の家族や親せきに相談する、役割分担をお願いするなど、協力を求めましょう。
【できる範囲で介護する】
被介護者を大事に思い、完璧な介護を目指すと精神的・身体的に疲弊します。完璧を目指すのではなく、「できないことはできない、できる範囲でしよう」という心の持ち方が大切です。
【こまめに相談できる相手・場所をもつ】
家族や友人などに話を聞いてもらったり相談したりできると、気持ちが楽になります。また、身近に相談できる人がいない場合は、ケアマネージャーや地域包括支援センターがおすすめ。介護方法などのアドバイスがもらえます。 介護者が介護疲れで体調不良を起こすと、被介護者もつらい気持ちになります。心の持ち方を意識し、心身の健康を保ちましょう。
介護疲れの対策方法に、介護施設の利用や看護計画の立案があります。 被介護者に対し「住み慣れた自宅で最期まで過ごさせてあげたい」と思う介護者もいます。しかし、在宅介護は心身共に負担が大きく、介護疲れが悪化しかねません。 介護者が体調を崩し在宅介護に限界がくる前に、介護施設の利用をおすすめします。
すぐに長期入所が難しい場合は、デイサービスやショートステイの利用が可能。サービスを利用中は、家族が自分の時間を持てリフレッシュできます。 また、訪問看護サービスなどを利用する場合、看護計画を立案します。看護計画は、在宅介護をする家族への援助も目標の一つ。
被介護者の現状だけでなく、介護者の悩みや健康面なども考慮し作成します。介護疲れが溜まらないよう配慮し、看護計画を立ててもらえるのです。
自分の介護疲れ度はセルフチェックできます。今自分がどの程度介護疲れがあるのか知れば、軽減対策が取れます。 以下の項目で当てはまるものが多いほど、介護疲れが強い可能性があります。
一か月以上症状が続くようであれば、早めにカウンセリングを受けるようおすすめします。また、毎日の生活に支障をきたすほどつらい場合、介護うつの可能性があります。医療機関の受診をご検討ください。
介護疲れが影響して、『介護うつ』や『被介護者への虐待』などが引き起こされる場合があります。
介護により精神面・身体面に疲労が溜まる介護疲れは、様々な病気や問題に繋がります。 この章では、例として介護うつと被介護者への虐待を詳しく紹介。 介護疲れは、深刻な事態に繋がりかねないことをお伝えいたします。
介護疲れが影響で引き起こされる病気の一つが、『介護うつ』です。
介護うつとは、介護によるストレスや疲れが原因で発症するうつ症状。 以下のような症状が2週間以上続くと、介護うつの可能性があります。
介護うつになりやすい人は、真面目で几帳面、責任感が強く完璧主義。人にうまく頼れず、自分を追い詰めてしまいます。 予防法として、介護保険サービスを活用し自分の時間を作る、誰かに相談するなどがあります。介護負担の軽減が重要です。また、完璧主義を辞め『60点くらいの介護』を心がけましょう。
介護疲れが影響で引き起こされる問題に、『被介護者への虐待』があります。 在宅介護の場合、介護者の身体や精神面、また経済的に負担がかかります。 介護疲れが溜まり続けた結果、虐待へと繋がるのです。
虐待には、以下の種類があります。
介護者の介護疲れが少しでも癒えるように、入浴剤などのプレゼントを贈りましょう。 癒されたり、身体や家事が楽になったりするプレゼントが喜ばれます。おすすめは以下の通りです。
他には、お菓子や快眠グッズなどもおすすめです。 プレゼントは、物はもちろん、相手からの思いやりや感謝の気持ちが喜ばしいものです。また、介護者は、日々のつらさや大変さを人と共有したい方も多くいます。プレゼントを渡すと同時にゆっくり話を聞いてあげましょう。より介護疲れが癒されるはずです。
介護疲れとは、介護者に疲労が溜まっている状態。身体や精神面の負担、また経済的な負担が原因です。 介護疲れの対策方法は、癒しを見つけたり、介護者の心の持ち方を学ぶなどがあります。
自分の介護疲れ度をチェックする項目もあります。介護をされている方は、一度お試しください。 介護疲れが影響して、介護うつや被介護者への虐待が引き起こされる恐れがあります。
身近な方の介護疲れを癒す方法として、プレゼントも効果的。入浴剤やマッサージ機などがおすすめです。プレゼントと一緒に、ぜひ感謝の気持ちを伝えましょう。 介護疲れは、誰でもなる可能性があります。ご自身や身近な方に、対策方法をご活用ください。