訪問入浴介護とは?サービス内容や料金、よくあるトラブルなど解説!

2023.08.03
  • 介護の豆知識

日本では高齢化が進み、自宅での生活を支援するために様々な介護サービスが提供されています。 その中でも訪問入浴介護について解説していきます。

このサービスは、自宅に訪問して入浴をサポートするもので、高齢者や障害のある人などにとっては大変便利なものです。

しかし、料金やトラブルについて知らないと、意外な出費やストレスになることもあるかもしれません。 今回は、訪問入浴介護のサービス内容や料金、よくあるトラブルなどについて解説していきます。

訪問入浴介護とは?

 訪問入浴介護は、看護師など2〜3名のスタッフが要介護者の入浴をサポートする介護サービスのことです。 寝たきりの方でも、専用の浴槽で入浴するため安心して利用できます。

高齢者が自力でお風呂に入ることが困難な場合や、家族のサポートだけでは入浴が難しい場合に利用します。 特に介護者の負担を軽減するため、家族が入浴介助に慣れていない場合は不安になると思います。 そんな時はこのサービスを利用するのが良いでしょう。

訪問入浴介護のサービス内容

 訪問入浴介護は、看護師1名を含めた2〜3名のスタッフが要介護者の自宅を訪問し、専用の浴槽を使用して入浴のサポートをします。 寝たきりや自己介護が難しい方にとって安全に入浴するためのサービスです。 入浴前後には、看護師による血圧測定などの健康チェックも行われます。

訪問入浴を利用することで介護者の負担を軽減し、ご本人も清潔な状態を保てます。 訪問入浴サービスでは、入浴だけでなく体位変換や着替え支援、ストレッチなどさまざまな支援サービスが提供されます。 サービス利用にあたっては介護保険や地方自治体の補助金など、費用面のサポートも受けられます。

訪問入浴介護の対象者や利用までの流れ

 訪問入浴介護サービスは寝たきりの方や自力で入浴が難しい方が利用されています。 安心して入浴サービスを受けられる為多くの人から利用されていますが、このサービスを受けられる対象が限られています。

このサービスを利用するまでの流れについて詳しく解説していきます。

訪問入浴介護の利用対象者

訪問入浴介護の利用対象者は、以下のとおりです。

  • 要介護1〜5の認定を受けている方。
  • 自宅で入浴が困難な方:「自宅で入浴が困難な方」とは、自力で浴槽に出入りが出来ない方、体を洗えない方など。
  • 入浴介助が必要な方:例として転倒のリスクが高い方、低体温症のリスクが高い方、皮膚疾患を患っている方など

訪問入浴介護の利用条件は、以下のとおりです。

  • 介護保険に加入していること
  • 居宅介護支援事業所のケアプランに基づいて利用すること
  • 訪問入浴介護事業所との契約を締結すること

訪問入浴介護の利用までの流れ

訪問入浴介護の利用までの流れは、以下のとおりです。

  1. ケアマネジャーに相談する
  2. 訪問入浴介護事業者を探す
  3. 訪問入浴介護事業者に申し込む
  4. 主治医の同意を得る
  5. 利用開始

ケアマネジャーに相談することで、訪問入浴介護の利用条件や手続きについて詳しく説明を受けられます。 また、訪問入浴介護事業者を探すのにもケアマネジャーのサポートが役立ちます。

訪問入浴介護事業者に申し込む際には、主治医の同意が必要となります。 主治医の同意を得た後、訪問入浴介護事業者との間で利用契約を締結します。 利用契約を締結した後、利用開始となります。

訪問入浴介護の料金はどのくらい?

 訪問入浴介護の料金は、要介護度や洗浄範囲によって異なります。 一般的に、1回あたりの費用は約750〜1300円程度です。 ただし、事業所によっては地域加算があるなど相場より増額する可能性があるためご注意ください。 訪問入浴介護は介護保険の対象となるサービスです。

介護保険の被保険者であれば、自己負担額は原則1割です。 例えば、要介護1度の方で全身浴をした場合の料金は以下のとおりです。

  • 基本料金:750円
  • 洗浄料金:500円
  • 加算料金:200円

訪問入浴介護のよくあるトラブル

訪問入浴介護サービスは便利なサービスですが、よく起こるトラブルもあります。

例えば、利用者とスタッフのコミュニケーション不足が原因でトラブルが起きることも少なくありません。 以下で代表的な例をご紹介致します。

入浴拒否

訪問入浴介護のサービスは、高齢者が自宅で入浴する際に病院並みのサポートを提供しています。 しかし、中には入浴を拒否する利用者もいます。 入浴拒否は、それぞれの個性や状況によって理由が異なります。

例えば、対人恐怖症の場合はスタッフへの信頼や説得によって徐々に解決できます。 その他、入浴拒否の原因の一つに、浴槽に入ることによって発生する「寝たきり恐怖症」もあります。

この場合は、利用者に専用のシャワーがあることを伝え、浴槽に入らなくても清潔に保てることを伝えるなど、丁寧なコミュニケーションが必要です。

医療行為が行えない

訪問入浴の看護師は医療行為ができません。 訪問入浴の看護師は、介護保険の資格を取得している必要がありますが医療行為を行うための資格は必要ありません。

そのため、訪問入浴の看護師は、医師の処方箋に基づいた薬の服用介助や点滴などの医療行為ができません。 訪問入浴の利用者で、医療行為が必要な場合は訪問看護を利用する必要があります。 その為、求められても医療行為ができないことを介護者に説明することでトラブルを防ぐ必要があります。

まとめ

 訪問入浴介護は、看護師を含めたスタッフが入浴のサポートをしてくれる介護サービスです。 要介護者本人が自力で入浴することが困難だったり家族のサポートだけでは入浴が難しい場合など、訪問入浴介護が利用されます。

人気の介護サービスですが、訪問入浴中の転倒などの事故やトラブルもあります。 トラブルを防ぐには、利用者とスタッフとの信頼関係を築くことがポイントになります。 ぜひ、介護生活の知識として活用してください。

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