hiromi先生のワンポイント薬膳「7月」二十四節気 ~「小暑・大暑」~

2021.07.01
  • 薬膳コラム

二十四節気
始まりは、紀元前770年頃中国において、陰陽五行説の思想が含まれ生まれたもので、五行の思想が深く、さらに七十二候は、二十四節気をさらに三等分し、動物、植物などの変化を表し、日常生活の目安にしたものです。

小暑

(7月7日〜7月22日)頃
梅雨が明け本格的な暑気入りです。

【七十二侯】
温風至(あつかぜいたる)
蓮始開(はすはじめてひらく)
鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)

蓮の花が咲き、蝉が鳴き始める頃。
7月7日は七夕。短冊は五色に書きましょう(青、赤、黄、白、黒)
7月9日はほうずき市
13日は迎え火、15日はお盆、16日は薮入り(※新のお盆の場合)
大暑に近くなると夏の土用入り。
小暑と大暑の間を暑中といい、暑中見舞いはこの間に送りましょう。

雨季の体内に残った湿度がむくみやだるさといった症状で出る頃です。
体は暑さにようやく慣れてくる頃ですが本格的な暑さを乗り切る準備をしましょう。

【摂るべき食材】
[山芋・鶏肉]暑さと湿度で、脾臓や胃が弱まると言われているので、栄養豊富で気を作り出す脾臓を元気にする山芋、鶏肉などで気力を蓄えましょう。
[あさり]血を補い、利尿効果があるので良いです。
[梅・赤紫蘇]梅の甘露煮を作ったり、赤紫蘇でジュースを作りましょう。
どちらも防腐効果があり、暑気あたり・食欲増進効果があります。

大暑

(7月23日〜8月6日)頃
一年で最も暑い時期、夏の土用に入ります。

【七十二侯】
桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
大雨時行(たいうときどきふる)

真夏日、熱帯夜が始まる頃
隅田川の花火大会に、8月1日から7日は弘前のねぶた祭。
年に4回ある土用の日の中でも一番重要な土用が夏の土用。
土用の由来は、中医学の基本理念である五行思想からきており、土(ど・つち)は方角で言えば真ん中。
人間の体では真ん中に位置する、脾臓、胃を指し、夏の暑さで脾臓、胃が弱まることから、精力のつくものを食べましょうという教えです。
この土用の時期は、土いじりをせずなすがままに過ごすべきと言われ、土建業ではこの時期は避けている傾向が今もあります。

【摂るべき食材】
[鰻]滋養強壮に強筋骨(きょうきんこつ)、暑い夏を乗り越えるために良いです。
[山椒]鰻にかける。臭み消し、食欲増進、冷たいものの摂りすぎで冷えたお腹にも良いです。
[枝豆]万人にとっての健康食品で気を補い、水の巡りを良くします。
[豆腐]消化がよく、清熱作用があるので良いです。
[万能薬味]大葉、みょうが、しょうが、わけぎ等は香りで食欲増進により夏バテ防止につながります。
[その他]暑さで疲れがひどい時は、高麗人参が含まれている栄養ドリンクが良いです。

※強筋骨とは…東洋医学では強筋骨(きょうきんこつ)という言葉があります。
質の良い筋肉をつけ、骨を強化するという意味。今年の土用の丑の日は7月28日(水)になります。
是非、この季節にあった食材を取り入れて猛暑を乗り切ってください。

国際中医薬膳管理師 桑原祐美
薬膳のプロフェッショナル「国際中医薬膳管理師」の資格を活かし、リエイの介護事業の薬膳監修を始め、薬膳料理教室「花凛」の主宰、北京中医薬大学日本校の登録機関として活動されています。教室には口コミにて千葉・東京・埼玉などから生徒が集まり、料理を教えるだけでなく、薬膳アドバイザーや中医薬膳指導員を多く育てています。

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