地域密着型介護老人福祉施設とは?費用からメリットまで徹底解説!

2023.06.15
  • 介護の豆知識

地域密着型介護老人福祉施設をご存じでしょうか。 地域密着型介護老人福祉施設とは、平成18年4月から導入された地域密着型サービスの一つです。

比較的新しい施設が多く、あなたがお住まいの地域でも、見かけることが増えているのではないでしょうか。

この記事では、地域密着型介護老人福祉施設の特徴やサービス内容を、詳しくご紹介いたします。 また、費用やメリット・デメリットもまとめました。

「どのような施設なのか気になる」、「従来の特別養護老人ホームと何が違うの?」と思われているあなたの、疑問にお答えいたします。

 地域密着型介護老人福祉施設とは?

地域密着型介護老人福祉施設とは、利用者ができる限り自立した生活を送れるよう支援する、定員29名以下の施設になります。

一般的な名称は、「小規模特養」や「地域密着型特別養護老人ホーム」。

従来型の特別養護老人ホームと同じように、常に介護を必要とする高齢者に、入浴や食事などの日常生活動作の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供する施設です。

入所対象者は、施設が所在する地域に住み、かつ原則として65歳以上で要介護3~5の認定を受けた方になります。

要介護1・2の方は、特例として認められた場合は入所できることがあります。 要支援1・2の方は、入所できません。 また、地域密着型介護老人福祉施設は、地域密着型サービスの一つ。

地域密着型サービスとは、高齢者が出来る限り住み慣れた地域で最期まで過ごせるように、市町村指定の事業所が提供するサービスのことです。 地域密着型介護老人福祉施設は、地域や家庭との結びつきを重視し、明るく家庭的な雰囲気を有しています。

 地域密着型介護老人福祉施設のサービス内容

地域密着型介護老人福祉施では、どのようなサービスがあるのかまとめました。

・食事・入浴・排泄などの介護
・機能訓練
・健康管理
・療養上の世話
・日常生活上の世話
・居室の清掃

サービス内容は、従来型の特別養護老人ホームと基本的に変わりません。 では、地域密着型介護老人福祉施設とは、従来型の特別養護老人ホームと何が違うのでしょうか。

地域密着型介護老人福祉施設では、施設が所在する地域に住む方のみが入所でき、定員は29名以下となっているのが大きな違いと言えます。(従来の特別養護老人ホームは、入居者の居住地域を限定せず、定員は30名以上)

その為、地域やご家族との繋がりを重視した少人数制サービスが受けられます。市町村や地域住民、保健医療・介護・福祉サービスと連携を取りながら、利用者一人ひとりに合わせた手厚い介護サービスを提供する施設です。

地域密着型介護老人福祉施設のサービスとは、従来型の特別養護老人ホームに比べて、自宅生活を送っていた時のような住まいや暮らしを意識したものと言えるでしょう。

 地域密着型介護老人福祉施設の費用

地域密着型介護老人福祉施設の費用は、施設サービス費に加えて、居住費や食費、理美容代などの日常生活費になります。

民間の施設と違い、入居一時金は不要です。 施設サービス費は、施設の形態や居室の種類、人員基準に対しての職員配置によって異なります。

利用者の自己負担割合は原則1割となっていますが、所得に応じて2割、または3割になる場合も。 居住費は、賃貸物件で言う「家賃」です。居室の種類によって大きく異なりますので、ご注意ください。

食費は、1日3食分として計算されるため、外出などで抜いたとしても一日分が請求されます。 ただし、入院や数日間外泊する場合は、食事の提供を中止し、費用も請求されません。

また、居住費や食費は、所得に応じて負担減額を受けられる場合がありますので、ご確認を。 日常生活費(理美容代や嗜好品購入費など)は、保険対象外のため全額自己負担となります。(おむつ代は施設負担)

地域密着型介護老人福祉施設の費用における自己負担額は、数万円~15万円以内が目安になります。 しかし、施設や所得などによって大きく異なりますので、事前に確認されると良いでしょう。

 地域密着型介護老人福祉施設のメリット・デメリット

地域密着型介護老人福祉施設とは、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット①
住み慣れた地域で生活できる…高齢者は、環境の変化が苦手な場合も。住み慣れた市町村を離れずに生活を続けられます。

メリット②
家族や知人が面会に行きやすい…同じ地域に住む家族や知人が面会に行きやすく、緊急時などでも家族が駆け付けやすくなります。

メリット③
小規模で家庭的な雰囲気…地域や家族との繋がりを重視し、定員が29名以下と小規模なため、家庭的で明るい雰囲気が特徴です。

メリットをご紹介してきましたが、デメリットもあります。

デメリット①
地域によって充実度に差がある…平成18年から導入された比較的新しいサービスのため、地域によって充実度に差があります。

デメリット②
施設と同じ市町村に住んでいないと利用できない…地域密着型介護老人福祉施設は、所在地と同じ地域に住民票がなければ利用できません。仮に希望する施設がある市町村に転居しても、一定期間経過しないと利用できないのです。 地域密着型介護老人福祉施設は、地域によって充実度に差があるなどデメリットがあります。 しかし、住み慣れた地域で生活できる、小規模で家庭的な雰囲気などメリットも多くある施設と言えるでしょう。

 まとめ

地域密着型介護老人福祉施設とは、地域密着型サービスの一つで、小規模で家庭的な雰囲気の施設です。

食事や入浴などの介護や、機能訓練といった従来のサービス以外に、地域や家族との繋がりを重視した手厚い介護サービスがあります。 入所費用は、施設サービス費に加えて食費や居住費、日常生活費がかかり、月数万~15万円以内が目安です。

また、地域によって充実度に差があるなど、デメリットも。 しかし、小規模で家庭的な雰囲気など、メリットも多くあります。 地域密着型介護老人福祉施設は、住み慣れた地域で最期まで過ごしたいと考える方に、寄り添う施設と言えるでしょう。

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